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十泊十一日鹿児島旅行
 とにかく寒かったです。

 爺ちゃんの家は築100年近くのそこそこ大きな家なんだけど、良家でも何でもないので家は滅茶苦茶なおんぼろで、至るとこに風穴や隙間があったり、まだまだ幼い従兄弟が暴虐の限りを尽くした事もあってふすまや障子、畳までぼろぼろと言う有様。つーか柱?が傾いているのか、ふすまがはまらないとかマジで泣けた。ふすま意味無いじゃん、と。
 お陰で風通しが非常によく家の中でも余裕で息が白い。
 朝、目が覚めても、暖房設備もリビング?らしき場所にコタツとストーブがあるのみなので寒くて中々布団から出られなかった。

 その布団や毛布も押入れで鼠にかじられ放題だったもので超不衛生。
 それを使って十日間過ごした俺の手には湿疹が出まくっていて、今も滅茶苦茶痒い。

 挙句の果てに雪まで降ってくれるし、殆どの日が風が物凄く強いしで何処に行っても寒さに耐えるばかりだった。特に畑なんかは周りに何もなく、吹きっさらしの超冷たい風が顔が当たり続けるので、顔もガッサガサに荒れて痒みが酷かった。

 また、当然のようにPHSは圏外なのでネットも当然使えず中毒症状出まくり。
 テレビも深夜アニメはおろか、深夜はまともなテレビ番組すらやっておらず(ゴールデンタイム近辺でも通販番組とかザラ&テレビ局の数自体が少ない)、夜は焼酎かビールを飲んで十一時には布団に入るのを繰り返すだけ。
 本当あっと言う間に「情報弱者」(この言葉はどこか差別的と言うか侮蔑的で嫌いなんだけど)になって行く感覚を味わえました。


 でもそんな爺ちゃんの家での生活にも素晴らしい点は沢山有る訳で。

 まず一つ目が犬がいること。
 知らない人にはすぐ噛み付くか吠え続けるかするという、鍵を一切閉めない田舎の家に相応しい番犬っぷりを見せる反面、餌を一瞬でも見せればあっと言う間に懐柔してしまう馬鹿犬。
 こいつがとにかく可愛い。めっちゃ可愛い。近くにいると只管尻尾を振り続けながら飛び掛ってくる。正直十日間の滞在時間の約三割はこいつと遊ぶか散歩に行くかで過ぎていった。
 また、叔父さんの家には猫がいて、こっちも滅茶苦茶可愛かった。ふよふよ。

 二つ目は温泉があること。
 爺ちゃんの家にも風呂くらいは流石にあるのだけど、未だに薪を焼べて沸かさねばならない上にやっぱり超汚いという事もあって毎日軽トラで近くの(と言っても20分はかかる)温泉に通ってた。
 また、その温泉がある場所は周辺では唯一PHSの電波が入るので、メールやネットを出来る憩いの場でもありました。

 三つ目は軽トラに乗れる事。
 四速MTの軽トラは運転してて超楽しいのだ。ガコガコシフトチェンジするのは快感以外の何者でもない!やっぱり最初に買う車はMT車が良いなぁ。

 四つ目は観光地がそれなりにあること。
 軽トラで色々行ってきた。
 知覧の特攻会館や武家屋敷、指宿の開聞岳や日本最南端の駅、池田湖の大ウナギ、枕崎の鰹ラーメン(食えてないけど)などなど、堪能してきました。
 他にも、叔父さん達に城山や天文館に連れて行ってもらったりもした。

 また、観光地ではないけれど家の周りの見渡す限り延々と続く茶畑もそれなりに雄大な景色で見ていて飽きない。鹿児島はお茶の生産量が静岡に次いで二位なのだ。そんな茶畑の中に戦時中の飛行場後やトーチカがひっそりと佇んでいたりして、これもまた趣き深い。

 そして五つ目は星が綺麗な事!
 これは本当に凄いよ。一年中天の川が見えるとかもそうだけど、目が慣れると夜空一面がぼんやり光ってるのよ。つまり星が無い所が無い。見渡す限りの星だらけ。こればっかりは行く度にガチで感動するね。


 そんな環境でゆっくり十日間、羽を伸ばしてきました。

 叔父さん夫妻にお世話になりっ放しで少し気疲れしたこと、一年近く履いていた靴が僅か十日間でそれまでの三倍くらい汚れたこと、そして寒さと衛生面を除けば素晴らしかったと言って良い。
 いや、結構色々除かないといけないんだけどさ、終わってみるとやっぱり寂しいものよね。

 あと、方言が非常にキツくて何も意味が解らないのが面白くもあり辛くもあった。
 爺ちゃんの家は頴娃(えい)と言う地域に在るんだけど、そこの方言は唯でさえ解りづらい鹿児島弁の中でも輪をかけて難しいらしく「頴娃語」、つまり英語と頴娃語をかけて皮肉られているレベルなのだ。
 正直地元の人に何を話されても笑顔に合せて愛想笑いを返す以外何も出来なかった。


 次の記事では主に撮ってきた写真に解説を加えていきたいと思います。
by emporfahren | 2008-02-26 15:23 | 旅行
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