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君をのせて
 という曲をご存知だろうか。そう、あの天空の城ラピュタのテーマソングである。

 僕が学校からバイト先へ向かう途中の電車の中で、たまに身体障害者の女性と乗り合わせることがある。丁度大学の終わりと重なり、電車の中は満員状態。そんな中で、その女性はこの「君をのせて」をいつも歌っているのだ。
 それがその女性の精神状態を表しているのか何なのか、より混雑して圧迫されているときほど声が大きく、より悲痛に歌うもんだからなんかもう聞いてらんないのである。
 しかも電車の中で大声で「君をのせて」を歌っているという状況は、常人には耐え難く、失礼とは思いながらも、もの凄い勢いで笑いがこみ上げてしまうもので、前回乗り合わせたときは笑いを堪えるのに必死だった。

 そして今日も偶然その女性と同じ電車に乗り合わせてしまった。勿論満員電車で、僕の横には大学生であろう女の子の二人組みがいた。
 僕はしゃっほーで音楽を聴いていたのだが、発車すると間もなく予想通り音楽に混じって「君をのせて」が聞こえ始めてきた。そこで僕は前回の二の舞にならぬよう、しゃっほーの音量を音漏れする限界くらいまで上げ、完全に外界の音をシャットダウンした。
 これで一安心、と思っていたのも束の間、横にいた二人組みの女性の一方の女性がもう一方の女性の肩にのしかかる様な体制で顔を隠し、肩をプルプルと震わせながら必死に笑いを堪えているではないか。
 僕も自然とイヤホンの外の世界、つまりそこに流れているであろう奇妙な音楽と時間を想像してしまい、結局前回と同じように顔が思いっきりにやけてしまった。
 誰かにこの状況を悟られては恥ずかしいと考えた僕は、携帯でニュースやブログをチェックしてみたりするも、頭の中は「君をのせて」一色で、顔のにやけは収まらないまま。
 結局そのままバイト先の駅までにやけては耐え、耐え切れずににやけてを繰り返してしまったのだった。

 いやもう、ほんと無理。笑うって!
by emporfahren | 2006-12-06 23:31 | 現実
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