カテゴリ:さいロマ( 23 )
さいとうロマンティック
第19話 「体育館、PM3:00、開演」

 人が増えてきた。ある程度予想はしていたけど、やっぱり外のステージが無いからなのか相当の数だ。多分だけど三桁なんてとっくに超えてる。 
 ナツミは二人と別れた後、そのまま体育館に入った。三十分近くも前という事もあって、劇を待つ人は一人もおらず、女子グループが五人で輪になりバレーボールを回しているくらいで、何だかちょっと気まずかった。
 こりゃー誰かと合流なんて無理かな・・・。周囲は既に一軍の先輩達の友人や知らない顔の女子達――多分二、三年の先輩なんだろう、これも――で埋まっており、最初は外のまま白い息が吐けそうだった体育館も、気がつけば人の温もりでカーディガンでも丁度良いくらいの温度に感じられた。
 舞台の方に体を向きなおす。こちらは入ったときと変わらず緞帳が下りたままだ。そのまま視線をずらし、壁の時計を見る。
 開演まであと、二、三分ってところか。と、そこで舞台横の扉から何人かの一軍メンバーが出てきた。館内の視線が一斉に彼らに集中する。彼らは体育館内の電気をつけ、またそれと同時に全ての窓に体育館独特の、緞帳に似た厚いカーテンを引き始め、それも終わると最前列中央であるナツミの目の前に立って言った。
「はいはーい!一度静かにしてくださいーい!」
 少しずつざわめきが収まる。
「それではまもなく始まります!それに伴って今点けた電気も舞台照明以外落とすので、早めに床に腰を下ろしてください!また、公演中はお手数ですが周りの方の迷惑となりますので、携帯電話の電源をお切り下さい!」
 変なとこにこだわるなぁ、写メ撮れないじゃん、そう思いつつも、ナツミは渋々それに従った。
 携帯の開閉音や無駄話で再び館内が騒がしくなったが、それもやがてゆっくりと収束していくと、改めて先輩達は話し始めた。
「それでは間もなく舞台を開始します!我々野球部一軍は毎年各種ステージ部門で文化祭に参加していましたが、今年は初めて演劇に挑戦することになりました!本日はあいにくの雨となってしまいましたが、不幸中の幸いにも我々は室内での公演という事もあって雨天の影響もなく、また雨のお陰でこれだけの方々の前で公演を行う事が出来る運びとなりました!夏の大会が終わってから約二ヶ月間、部活もそこそこに全力で準備に当たってきました!短い間ですが、全力で演技する坊主たちをお楽しみ下さい!今回我々が行う劇は、『オペラ座の怪人』です!それでは!どうぞ!」
 体育館が暗転する。照明が落とされたのだ。と、同時に緞帳が上がる。早速女装した坊主が立ってる、あれなんて先輩だったっけ・・・。おお、セット結構頑張ってるじゃんねぇ・・・。
 
 こうして一軍によるオペラ座の怪人が始まった。
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by emporfahren | 2007-05-09 00:14 | さいロマ
さいとうロマンティック
第18話 「たこ焼き売りの少女、雨、PM2:25」

 結局天気予報の『早いとこは昼前から』が見事に的中し、昼を過ぎても露天に並ぶ人は少なかった。
「うーさみぃ、雨の中のたこ焼きもオツだと思うんだけどねぇ」
 ナツミが白い息を吐きながら言う。そう言えば息が白く見えるのは今年初めてかもしれない。
「一応それなりに努力はしたしね、味は自身有るけど、これこの後もっと強くなるんでしょ?」
「えーマジで?後夜祭厳しそうだなぁ、あぁ、先輩とのフォークダンスできないじゃん!」
「ゲンキンね、察するけどさ、友達もステージで踊るって言ってたし、私もそれ見たかった」
「こうなりゃ本当目玉は一軍の劇だけになっちゃうね、屋外ステージもほとんど雨天中止じゃあ」
「そうだね、でもナツミは結果オーライじゃん、見れるしさ」
 麗しき高校時代の文化祭だってのに、これじゃまるで暇なパートさんの駄弁りだ。

「ただいまー」
 アオイが休憩から帰ってきた。
「おかえり、よしっ、じゃあ休憩行ってくるわ、うっしっし、さーて何してくるかなー」
 エプロンを外しながら私を見てくるナツミ、セクハラまがいの目だ、くそっ。
「一軍の劇見てくるんでしょ?ほら、さっさと行って来い、ほれ!」
 いつまで私はタニ先輩ネタで振り回されるんだ、私は毒づいた。
「ふふっ、まーね、態々その為にローテの時間ずらしたんだし、言われなくても行って来るわよーん」
「見終わったら感想お願いねっ!」
 アオイがエプロンを着けて戻ってきた。
「ねーえアオイ?見てきたら?昼過ぎだし、こんな天気だもん、売り子くらい私一人で回せるよ」
 『怪人』が見たいんだろうなぁ。
「ん、んーん、いいよいいよ、そりゃ・・・見たいけどさ、でもそーゆーのはイヤ。ミカちゃん一人にしちゃ文化祭としてダメ、ダメなの」
 目を見てはっきり言われた。自分の中のルールなのだろうか、変な所でしっかりというか融通利かないのねぇ。それにナツミが一人で劇に見に行くのは良いのだろうか、ちょっと野暮な言い方かな。
「アオイがいいなら良いんだけどさ、ま、とにかくナツミ、行ってきなさいよ、アオイの分までさ。これ雨で目ぼしいの減るから混むよ」
「んむ、期待して待ってなさい、アオイ、まだ時間有るけど今から行って最前列狙ってやるわ」
「うん!よろしくね!」
 アオイが言った。と、そこで私はなんとも無しにふと思った事を聞いてみた。
「でもさ、何?一人で行くの?アオイがダメなら誰かしら誘ったら?」
「そうよー、いや誘ったんだけどさ、案外つかまらないのよねーこれが、皆売り子だったり他の子達と遊んだりが忙しいみたいでさ」
「へー」
「まっ、劇見に来る人がいれば合流も出来るでしょ、うっし!じゃあ行ってくるね!じゃっ!」
 言うが早いか、ナツミは会場となる体育館まで走り去っていった。


 次は明日。
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by emporfahren | 2007-05-07 23:24 | さいロマ
さいとうロマンティック
第17話 「再開、文化祭当日、AM7:15」

 十月も中旬、とにかく寒い朝だった。カーテンを開けてみれば、予想通りに厚い雲が朝日を隠していた。
「さみっ、あー、雨振るなこれ」

『気温は朝から殆ど上がらず、早い所では昼前から雨が降り出すでしょう・・・』
 朝食をとりながらニュースを見る。折角の文化祭が天気に恵まれないのは、あぁダルそうにしてるとは言え、正直な所残念だった。
 昨日の前夜祭は楽しかった。半ば強引に参加するハメになってしまったとはいえ、人生でたった三回しか味わえない高校での文化祭。わいわいステージやライブを見るだけでも面白くないはずが無かった。ま、そのお陰で準備が遅れて十時上がりだったけど。
「今日も遅くなるのか」
 父が新聞を見ながら言う。『も』って事は私に言ってるのか。
「んー、打ち上げあるし、うん、多分遅いよ。ただどうだろね、これ雨降ったら片付け明日になるだろうし、本降りなら後夜祭も出来るかどうか」
「お姉ちゃん?打ち上げって酒飲むんでしょ?」
 今度はサヤがテレビを見ながら言う。ながら族め。
「飲む訳無いでしょ」
「駄目だぞー、そんなの父さん許さないぞー」
 なら新聞から目を離せ。
「ちょっと何その心のこもってない言い方、父親ならもっとしっかり恋や部活に溢れた華の高校生活を謳歌する娘を繋ぎ止めなさいよ」
「え!?何々!?お姉ちゃん彼氏いんの!?」
「いないよ、うっさい」
「ほれ、ま、楽しむのも良いけど、程々にな」
「何か綺麗に纏めたみたいな言い方しないでくれる、ねぇ、ちょっと、新聞より娘見なさい、ちょっと」
 朝から疲れる。ツッコミ役は学校だけで十分だ。
「あーもう良いわ面倒くさい、さて、と、そろそろ支度して行くわ、昨日準備終わらなくて、サヤ、どうでもいいけど芸能見終わるまでそこにいると遅刻するよ」
「んー、いってらっしゃい」
「いってらっしゃい、気をつけてな」
 だから二人ともこっちを見てものを言え。

 
 そろそろ再開しないとな、と。15ヶ月経ってるし。次は今夜。
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by emporfahren | 2007-05-07 17:22 | さいロマ
さいとうロマンティック
第16話 「二週間後、文化祭前日、怪人の正体?」

 「あーもうマジめんどいわ、無理よ無理、マジで無理」5組の準備から逃げ出して来たナツミが言う。
 「んなの知らないわよー、こっちだって駄菓子の袋詰めが忙しいのよ!あ、アオイ!うまい棒とヨーグル五個ずつとって!」ナツミの愚痴を聞き流しながら私は言った。
 「えーっと、うまい棒は何味でいいのー?」アオイが抜けた返事を返す。
 「納豆味五本ね!」
 「うん、納豆味五本、っと」
 「ちょっとナツミ!何勝手なこと言ってんの!アオイ!違う違う!サラミとチーズ、ポタージュと明太子、それと納豆!」 
 「え?あ、はい、うん解った、ちょっと待ってー」
 「ってかアオイ!ナツミの言う事信用しないの!納豆五本て!疑いなさいよ!」
 「あ・・・、う・・・、ごめんねぇ」
 「・・・、はぁ、ごめん、もう良いから持ってきて、ナツミも早くクラスに戻ってよ・・・」ナツミが4組に来て一分、あっという間に疲れ果てた私は言った。
 「いいじゃないのさー、手伝わせてよー」そんな私を知ってか知らずか、ナツミが言った。
 「あんた邪魔しかしてないじゃないのよ!そんなんならクラス戻ってよ!こっちはこの後二軍の準備もしないといけないんだからね!つーかアンタもそうでしょ!ほれ!戻れ!」
 「ちょっ、何でそんなにまくし立てるのよー、それよりさー、アレよアレ!」全く反省の色のないナツミが話題を変えにかかる。
 いい加減うんざりだが、もう追い返す気力もない。
 「何よもー、アレって、何?」
 「ふふーん、それはね・・・」もったいぶるナツミ。
 「さっさとしてよー」
 「それはね・・・、一軍の舞台よ!何か今年は拘ってて全然情報が流れてなかったじゃない?何やるかとか、誰が出るかとかさー?」
 「あー?そうなの?」どうでも良いよと言いたいがそこは我慢、話が余計に長くなる。
 「ミカちゃん、これ、うまい棒とヨーグルね」お菓子を選別し終えたアオイもこちらへ来た。
 「ありがと、アオイ」
 「ってかねミカちゃんミカちゃん、本当に秘密だったんだよ、凄いの、二軍の先輩にすら情報流れてなくてさ!私も凄い知りたいの!」アオイが合流した途端話題に乗って来た。やはりアオイは「秘密」とか「正体」とかヒーローつながりの言葉に弱いようだ。ひょっとしてアオイ・・・実は話題に参加したくてこっちに来たんじゃ・・・。
 「ね!アオイ!気になるよね!それでさー!」水を得たサカナのようにナツミのテンションも上がる。 
 「うんうん!」アオイの目がきらきらと輝く、見てるこっちは目がやられそうだ。
 「いい?絶対に言っちゃ駄目だよ?」急にナツミの声が小さくなる。言っちゃ駄目なのをナツミが言っちゃうのは良いのだろうか。
 「うんうん!」声は小さくなるがテンションは上がりっぱなしのアオイ。
 「何とね!今年はオペラ座の怪人を舞台でやるんだって!」
 「うぉぉぉー!」「怪人」という単語に反応したのか、アオイが絶叫した。
 「ちょっと、声が大きいって!アオイ!」大して変わらない声でナツミがアオイを制する。
 「あ!うん、ごめんごめん・・・」口を押さえるようにしてアオイが言う。
 「で、ナツミはその情報をどこから手に入れたの?」私は言った。
 「ふふーん、さっき体育館の中でリハやってたのよー、ちょうどウチのクラスの展示会でさ、プロジェクタでスクリーンに写真を映さなきゃいけないところがあったの」
 「あのなんだっけ、えーと」
 「戦後の日本復興展よ、全く楽しくないったらありゃしないわ、とにかくそれの資料を映すために」
 「それで?何で体育館なの?」アオイが訊いた。
 「それでよ、窓からの明かりをしっかり遮らなくちゃいけないから、体育館のあっついカーテンを拝借ようと思ったのよ!」ナツミが堂々と言った。
 「許可は?」私は訊いた。
 「いいじゃないすぐ返すし、それに入り口のところのを借りたから、誰も困らないわよ、入り口には扉もあるんだし、まぁ流石に窓のところのカーテンを奪ったら悪いと思ったしさー」悪びれもなくナツミが言う。
 「そしたらさ、丁度リハ中だった所を覗いちゃったのよ、私は入り口のところにほんの瞬間いただけだから誰かまではばれなかったろうけど、気づいた先輩達が「誰だ!」とか大声で叫ぶもんだから慌てて奪って逃げちゃったわ」
 「ナツミちゃんちょっとそれは・・・、駄目だよ・・・」流石にアオイも引いた。
 「もー、そんな二人して責める事ないじゃないのよー、悪いとは思うわよでもまー、さ、ね!」
 「ったく、もうやめなさいよ?クラスの責任になっちゃうじゃない」ナツミを注意する私。
 「解った解ったわよ、もうしない」体育館のカーテンを拝借する機会など二度と来ないだろうが、一応ナツミも反省したようだ。
 「でさでさ、明日一緒に行かない?」ナツミが言った。
 「何によ」解りきってはいるが、一応訊いてみた。
 「もー、今何の話してたのよ!劇よ劇!一軍の劇!」焦れたナツミが言った。
 「えー、私は別にいいかなぁ」私は言った。
 「うーん、私は行きたいけど、二軍の方の売り子が忙しいし、駄菓子の売り子もしないといけないし・・・」アオイも渋った。
 「なによー?行こうよー、絶対楽しいって!それに!」
 「それに?」私は訊く。
 「多分よ、多分だけど、タニ先輩が怪人役よ!」
 「わー!ミカちゃん!」アオイが言った。
 「何?アオイ何?私に何で振るの?そんなナツミみたいなマネしないでよ!」
 「う・・・、わ・・・、ごめん・・・、冗談だよ・・・」顔が笑っているアオイ、絶対何か勘違いしている。
 「ふふーん、本当にい・い・の・か・なー?」ナツミが言った。
 あぁ、私が男だったら今頃こいつをぶっ飛ばしているだろう。
 「行かないわ、絶対行かない、死んでも行かないわよ」私もムキになって言った。
 「・・・ふーん?そう、まぁ良いわ、最悪私一人でも行くもの、展示会なんて当日することないからヒマになろうだろうし」
 「そうしなさい、最悪じゃなくて絶対そうしなさいよ、つーか、あんたも二軍マネなの忘れないでよ!売り子のローテは私、ナツミ、アオイで回すんだからね!」
 「わかってるわよー、それくらいキッチリやるわ、クラスの方は知らないけどねー」
 「はぁ」私はため息をついた。
 
 突如、ナツミがすっくと立ち上がり、時計を見た。
 「さーてそろそろ」ナツミが言う。
 「前夜祭だね!」アオイも立ち上がった。
 「ちょっ、あんたら仕事は?」苦笑いする私。
 「えー?」
 「えー?」
 アイコンタクト、目配せをする二人。
 「「聞こえないなぁー?」」
 
 今日は居残り確定かぁ・・・、勿論こいつらを逃がすつもりもないけど・・・。そう思った私は、諦めて立ち上がると、二人に引っ張られながら教室を後にした。
 
 
 続く。

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 第00話 「序章、登場、おやすみなさい」
 第01話 「おはよう、思い出、前半戦」
 第02話 「思い出、後半戦、行ってきます」
 第03話 「教室、友達、昼休み」
 第04話 「部活、ジャーマネ、地獄耳」
 第05話 「帰り道、文化祭、一日の終わり」
 第06話 「おはよう、思い出、いちばんめ」
 第07話 「思い出、にばんめ、自分のこころ」
 第08話 「思い出、さんばんめ、先手必勝!」
 第09話 「思い出、よんばんめ、自己紹介」
 第10話 「思い出、ごばんめ、潜入だ!」
 第11話 「思い出、ろくばんめ、ジャンプ!」
 第12話 「思い出、ななばんめ、理想と現実?」
 第13話 「教室、友達、昼休み」
 第14話 「部活、校舎周り、意地の張り合い」 
 第15話 「帰り道、自分のこころ、一日の終わり」 
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by emporfahren | 2006-02-17 01:46 | さいロマ
さいとうロマンティック
 ここで一区切り。一章の終わり。いや違うかな、一章の前半の終わり。
 学校をサボった僕が、のんびりと湯船につかりながら思いついた「さいとうロマンティック」。
 その名前と同時に思いついたストーリーがここから始まります。
 振り返ってみるとグダグダで、解りづらいところも多々在りますが、もう少しお付き合い下されば幸いです。50話までには終わります。終わらせます。
 一章を。
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by emporfahren | 2006-02-16 16:18 | さいロマ
さいとうロマンティック
第15話 「帰り道、自分のこころ、一日の終わり」

 部活も終わり、今は帰路の途中。マコト、コウスケと別れてから数分、僕は昼休みの事を思い出していた。
 とりあえず、これといった問題はないように思える。彼女が正体に気づいてない以上、僕に危機が迫ることはあり得ないのだ。でも、当然といえば当然だが、あれ以来ミカさんが常に気になって仕方がない。緊張して話しかける事が全く出来なくなってしまったし、あちらから話しかけられてもしどろもどろになってしまう。勿論、これは恋とかそういった類のものではなくて、ただ自分の正体がばれないかが怖いからなのだけれど・・・。

 忘れよう。平気だ、普段どおりに接していれば僕の中でも、そして彼女の中でも「彼」の存在は薄くなっていく。自然に、お互い唯の部員とマネージャーに戻る。それでいい。

 僕は足を早め、一日一日と秋が深まる帰り道を急いだ。


 続く。

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 第00話 「序章、登場、おやすみなさい」
 第01話 「おはよう、思い出、前半戦」
 第02話 「思い出、後半戦、行ってきます」
 第03話 「教室、友達、昼休み」
 第04話 「部活、ジャーマネ、地獄耳」
 第05話 「帰り道、文化祭、一日の終わり」
 第06話 「おはよう、思い出、いちばんめ」
 第07話 「思い出、にばんめ、自分のこころ」
 第08話 「思い出、さんばんめ、先手必勝!」
 第09話 「思い出、よんばんめ、自己紹介」
 第10話 「思い出、ごばんめ、潜入だ!」
 第11話 「思い出、ろくばんめ、ジャンプ!」
 第12話 「思い出、ななばんめ、理想と現実?」
 第13話 「教室、友達、昼休み」
 第14話 「部活、校舎周り、意地の張り合い」
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by emporfahren | 2006-02-16 16:14 | さいロマ
さいとうロマンティック
第14話 「部活、校舎周り、意地の張り合い」

 「ファイトー!ラスト1週!」ミカさんたち三人が僕ら野球部一年に向かって叫ぶ。
 校舎周り。いたってシンプルな持久力をつける手段であるがゆえ、後半になると基礎体力の差が顕著に出始め、それがそのまま距離の差となって表れる。野球部に入った頃から、お互い負けたくないと思っていた僕達は意地を張り合い、気が付くといつも三人揃って校舎周りの先頭集団になっていた。そして今日も僕たち三人がいつも通りの独走態勢に入っている。
 「そうっ・・・いやっ・・・さっ・・・」コウスケが切れ切れの息の中で言った。
 「・・・」マコトは押し黙って何も喋らない。もう疲れているのだろうか、ひ弱なやつめ。
 「・・・何んっ・・・だよっ・・・」彼が喋らない以上僕が返事をするしかない。僕も決して話す余裕があるわけじゃないが、こいつらに弱みは見せれない。
 「さっきのっ・・・話・・・昼っ・・・休みにっ・・・話してた・・・アレ・・・何っ・・・だったっ・・・んだろ」
 「知るかよっ・・・何で・・・そんなの気にっ・・・してんの?」
 「いやさっ・・・別にっ・・・気にっ・・・なった・・・だけっ」コウスケが苦しそうに言う。
 「ふっ・・・ん、別のっ・・・意味でっ・・・気にっ・・・なってん・・・じゃないの?」僕はコウスケを挑発する。
 「はっ・・・マジ意味わかっ・・・んねーんっ・・・だけどっ!」見事に挑発に乗るコウスケ、ふふふ、ここで疲れさせて一位は僕が頂いてやる。
 「ふっ・・・ひっ・・・ひひひっ・・・ひっ!」笑う僕、これでトドメだ。
 「マジっ・・・ウゼーっ・・・おまっ・・・えっ・・・、ぜってーっ・・・勝ぁっ・・・つ・・・」作戦成功だ。よーし。
 最終コーナー手前、予想通りコウスケが一人抜け出した、しかし甘い。人間と言えど、それなりの速度でコーナーに突っ込むと歩道からはみ出てしまう。そうならない様にコーナーで速度を落とした時、それがお前の最後だコウスケ。そこで一気に僕が並び、スパートをかけてやる。僕が横に並んだとき、スパートのタイミングを誤ったお前に再び加速する体力はない。僕は顔に笑みを湛え、コーナーへと向かった。
 まずコウスケが左に体をひねり、コーナーに入った。チャンスだ、歩幅が狭くなると同時に速度が落ちた、ここで並んで・・・、よしっ!抜き去る!一気にコウスケに追いついた僕は、最後の直線で一気にスパートをかけ、引き離しにかかった。
 「はっ・・・、ひっ・・・ひひひっ・・・!はぁああっ・・・ひゃっ・・・はぁっはー!」最早声にならないような奇声、もとい笑い声を上げながらコウスケとの距離をつける僕。勝った!堅い!鉄板だ!ゴールまで後30メートルを切った!

 その時だった。

 アウトコースから「三人」の内のもう「一人」、マコトが僕を一気に捲くった。

 一瞬顔をこちらに向け、ニヤリと笑うマコト。しまった、そうだったのか。
 あいつが話に参加しなかったのを、てっきり僕は息が切れて喋れないものと思っていた。しかし違ったのだ。マコトは・・・、体力を回復させるためにっ・・・!

 「ひっ・・・きっ・・・くそっ・・・はっ・・・」既に悔しさを声に表す事も出来ない僕の数メートル前で、マコトがゴールである校門へと突っ込んだ。
 そのまま僕も崩れる様ににゴールに入り、まもなくコウスケもゴールした。

 「ふっ・・・はっはっ・・・はっ・・・お前らっ・・・自爆しあっ・・・てっ・・・ふっひっ・・・はっ・・・ひっひっ」地面に座り込んだマコトが呼吸困難になりながら笑う。
 「ちょっ・・・クソっ・・・ユウ・・・てめっ・・・」地面にへばりながら、敵意を含んだ視線を投げかけてくるコウスケ。
 「んっ・・・作戦っ・・・ミスったっ・・・ちくっ・・・しょっ!」同じようにへばりながら僕は言った。

 この後、体力が回復したコウスケに笑いながら関節技をかけられたのは言うまでもない。


 続く。

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 第13話 「教室、友達、昼休み」
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by emporfahren | 2006-02-14 23:24 | さいロマ
さいとうロマンティック
第13話 「教室、友達、昼休み」

 落ちつかない。目と鼻の先にミカさん達がいる。その上、間違いなく昨日の出来事について話しているのだ。声が小さいので他の人には把握できないだろうが、時折耳に入る言葉から「あの」話をしているのだと確信できた。間違いない。
 今は昼休み、僕は部の友達がいる1-4でいつも飯を食っていて、今日もその御多分には漏れなかった。
 「んでさー、その後にカラオケ行ったんだけど、ビリヤードやりてーとかコウスケが言い出してさー」横ではマコトが昨日の僕と別れた後で行ったというカラオケでの出来事を話していた。
 「だって別に横にあるんだから良いじゃん、カラオケやりたい人はカラオケやって、ビリヤードやりたい奴はやればいいんだよ」コウスケが言い返した。
 「どうなのよ?それでお互い満足なら別によくね?ユウ?」コウスケが言っている。
 「おいユウ!聞いてんの?」コウスケが言っている。
 「・・・、おい!」コウスケが言っている。
 「・・・はい!ドーン!」コウスケが言うが早いか、僕の頭に衝撃が走った。
 「あたっ、え?何?何よ?」突然の脳天唐竹割りに頭を押さえながら僕はこたえた。
 「だから・・・、カラオケと・・・、あーもー良いよ!何?こっちが何だよ!?聞いてろよ!人の話を!」コウスケがまくしたてた。
 「あー、ごめん、ちょっと寝不足で」言い訳がましいが、本当の事だ。
 「どうしたんよ?」マコトが返す。
 「うーん、ちょっと寝れなかったのよ」
 「いや、だから何で?」コウスケも問い詰めるのに加わってきた。
 「何でっても、あの後さー、家帰ってから風呂入ってボーっとしてたんだよ、そしたら結構な時間になっただけ」
 「ふーん、だったら授業中寝れんじゃん、現国は基本だべ?」コウスケが言った。
 「基本だよ、俺はハイレベルだからはじめの一歩読むけどね」マコトも言い返す。
 「え?つーか持ってんなら貸してよ!マジ席替えしてから授業中暇なんだよー」コウスケが言った、どうやら尋問はお流れになってくれたらしい。
 「だからお前席が前の方なんだから無理じゃん」マコトが言う。
 「俺マジレベル高いから!余裕だし!」何のレベルかは知らないがコウスケも張り合っている。
 普段なら突っ込みをくわえる所なのだが、流石に今日は揮わなかった。僕は横目でミカさんのほうを見る。幸いミカさんの周りに人が集まっている訳でもなく、聞いているのはセキノさんとアキバさんだけ。しかし女子のネットワークなんてファイアーウォールのないパソコンのようなもの、空気が空気ならいつでも情報は漏れてしまうだろう。
 「なんだよ本当にボーっとしてんなー」そんな僕を見かねてか、マコトが言った。
 「あーごめん」本当はボーっとしているのではなく、聞き耳を立てているだけなのだが、勿論言う訳にはいかない。
 「なんだかなぁ、まーマコト、とにかく五限はよろしく、何巻まであ・・・」コウスケがマコトに頼み込む声に、突然の女の子の泣き声が被さった。
 「「うわぁあぁぁああ!やっぱり本当にごめんねぇー!」」僕も慌てて声の方へ振り向く。セキノさんが泣きながらミカさんに謝っている。
 慌ててセキノさんをなだめるミカさんとアキバさん。と、そこにコウスケがつかつかと歩み寄っていく。マズい。このタイミングでコウスケがあの輪に入ろうとしている。どう予想しても面倒なことにしか発展しないであろう事は明らかだ。
 「ちょっ・・・と」僕がコウスケを制止しようとするのも空しく、コウスケは言った。「んー、どうしたの?何でセキノさん泣いてんの?」。
 「何でもないし、っつーかアンタに関係ないし、坊主野郎」アキバさんが邪険に突っ返す。
 「何だよアキバ、お前に聞いてないよ、俺はセキノさんに聞いてんだよ」
 「はぁ何?マジウザいんだけど」
 「何であんたらが喧嘩してんのよ」ミカさんが突っ込んだ、そりゃそうだ。
 「・・・・・・」二人はガンを飛ばしあってその場から動かない。そんな時、丁度良くチャイムが鳴り、午後の授業が始まる事を知らせた。
 「・・・んじゃー私戻るから」アキバさんがすっくと立ち上がり、大またで隣の1-5へ歩いていく。
 そのまま場に居続けることも厳しくなったか、流石のコウスケも無言のまま僕達のところへ戻ってきた。
 「ったく何だよアキバの奴、マジウゼぇのはあいつだよ、糞」コウスケが毒を吐く。
 「いやお前も空気読まなすぎだって、アレは」マコトが言った。
 「アレは厳しいって、まぁアキバさんも言いすぎだけど、まーさ、気にすんなよ」僕もコウスケをなだめる。
 「まーいーけどさー、気になるじゃんよー」コウスケが愚痴るように言う。
 コウスケとアキバさんはそりが合わないのか、教室だろうと部室だろうとしょっちゅう口論をしていた。しかし頻繁に喧嘩してる分、熱も冷めやすいようだ。
 「ま、女の子のネットワークだしすぐ漏れてくるべ」マコトが言った。が、それはマズい。
 「つーか」マコトが続ける、「チャイム鳴ったじゃん、大丈夫なの?」
 「あー、やべーわ、んじゃね」僕はそう言うと、アキバさんの後を追うようにして1-5へと戻った。


 続く。
 
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 第10話 「思い出、ごばんめ、潜入だ!」
 第11話 「思い出、ろくばんめ、ジャンプ!」
 第12話 「思い出、ななばんめ、理想と現実?」
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by emporfahren | 2006-02-14 19:30 | さいロマ
さいとうロマンティック
第12話 「思い出、ななばんめ、理想と現実?」

 「ミカちゃーん?」物音に気づいた祖母がミカの部屋の扉を開けた。「あれ・・・?今帰ったんだと思ったんだけど・・・、お父さん心配してたわよ、おやすみ」そう言ってミカの祖母は扉を閉めると、一階の和室へと戻っていった。「なんだか隣のワンちゃん騒がしいわねー」。

 「ぐっ」衝撃に声が漏れた。右足が塀を捉える、しかし体は止まってはくれずに、そのまま前のめりになって塀の向こうへ落ちて行こうとする。僕は必死に傾いてゆく体の向きを変えようと、塀を掴んだ右手を軸にして曲がっていた右足を思いっきり伸ばす。「ふんがっ!」僕の体は何とか頭から下へ落ちる事をやめ、そのまま両足で隣家の庭へ着地した。
 十点満点だ、パーフェクト。そんな事を考えたのも束の間、足元から物凄い唸り声が聞こえてきた。「グゥゥゥゥ・・・」闇の中、僅かな星の光を映して光る二つの目。さぞや眠りを妨げられた事が不服だったのだろう、一歩も引かず、こちらの動向をうかがっている犬がそこにいた。
 考えている暇は無かった。僕は再び塀に向かって飛びかかる、「グァッ!」、「ワン」や「キャン」では無い、獲物を仕留めるときの声がズボンの裾を掠める。僕は慌てふためき塀をよじ登るが、勢いあまって今度はミカさんの家の裏庭へ落ちた。「ギャン!ギャン!」壁越しでも犬は相変わらず僕を威嚇してくる。ひょっとしたらご主人に危機を知らせているのかもしれなかった。どちらにしろ、この声に住民が反応した時点でアウトである。僕は慌てて裏庭から玄関へと戻った。
 玄関に戻ってみると、相変わらず犬の声が静寂を吹き飛ばしているものの、住宅街の異変に気づいた人はまだいないようだ。
 僕は素早く立てかけておいた荷物を拾い上げ、走ってミカさんの家を後にした。

 「ただいま」、すりガラス越しに漏れるリビングの光に僕はそう話しかけ、返事も待たぬままに自分の部屋へと逃げ込む。日付が変わって既に三十分、それ程夜更かしでもないが、体は酷い疲れを訴えている。服を着替え、そのままベッドに潜り込む。
 酔いを抜くために歩いた夜道。それでもベッドの中でまどろむ位は残っていて欲しかったが、もはや素面となんら変わりは無い。むしろ気持ち悪さだけ残り、寝付くのには時間がかかりそうだ。自然と今日の出来事がフラッシュバックされる。
 路地に連れ込まれた女の子を見つけたこと、暴漢を倒したこと、助けてみたらミカさんだったこと、正義のヒーロー「さいとうロマンティック」となってしまった事、彼女を家まで送り、あまつさえ不法侵入までしてしまったこと・・・。どれも一つ間違えれば遭遇し得なかった出来事で、どれも一つ間違えれば誰かの人生を狂わせかねない出来事。とても怖い事だ。
 でも、僕がそうしなければ彼女は助からなかった。そして何より僕があの時感じたものは間違いなく、自分の中にある強い意思だったのだ。それは初めて僕の前に顔を出し、結果を残して消えていった。そして今でも、あの行動は間違っていなかったとも思えるのだ。僕が正義、独り善がりだが、あの時の僕は正義であった。それでも・・・、ここは漫画の中じゃない、たとえ人助けの為とはいっても、人に怪我を負わせたり、無断で人の家に入った事が見つかれば罪に問われるであろう事は明らかだった。

 自分の意思によって引き起こされた出来事で保身に怯える自分。僕は枕をどかし、布団を頭までかけると、そのまま考える事をやめた。


 続く。

 バックナンバー
 第00話 「序章、登場、おやすみなさい」
 第01話 「おはよう、思い出、前半戦」
 第02話 「思い出、後半戦、行ってきます」
 第03話 「教室、友達、昼休み」
 第04話 「部活、ジャーマネ、地獄耳」
 第05話 「帰り道、文化祭、一日の終わり」
 第06話 「おはよう、思い出、いちばんめ」
 第07話 「思い出、にばんめ、自分のこころ」
 第08話 「思い出、さんばんめ、先手必勝!」
 第09話 「思い出、よんばんめ、自己紹介」
 第10話 「思い出、ごばんめ、潜入だ!」
 第11話 「思い出、ろくばんめ、ジャンプ!」
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by emporfahren | 2006-02-14 14:55 | さいロマ
さいとうロマンティック
第11話 「思い出、ろくばんめ、ジャンプ!」

 マズい!トイレは二階にも在る、つまり用をたす為だけに下の降りたのではなさそうだが、このまま二階へ上がってくる可能性もある。とりあえず部屋に逃げ込むしかない!僕は自分で考えた仮説の通り、一番奥の部屋へと向かった。そう、一番奥、外れていれば逃げ場はない、それでも入る以外に道はなかった。
 慌てて扉を開ける、部屋は真っ暗だ。そのまま部屋へ滑り込むと、手探りで明かりのスイッチを探す。扉のすぐ横にそれはあった。「カチッ」という音とともに部屋に明かりがともる。誰もいない、決して少女趣味というわけではないが、一目で判るような女の子の部屋。どうやら正解だったようだ。しかしそのまま一段落とはいかない、さっきのトイレの音だ。こちらへ向かっている可能性は大いにあるだろう、僕が家に入ったときから物音はしなかった、つまり家に侵入した時点でその人物はトイレにいたという事になる。
 とりあえず僕はベッドに彼女を下ろし、やっと軽くなった身体を伸ばした。このまま一階に降りて鉢合わせは一番危険だ。道をふさがれた時点でこちらに引き返さねばならないし、そのまま強引に通ろうとすれば傷害容疑がまた一件増える事になるかもしれないのだ。どうするか・・・。
 「はぁー」僕は再びため息をついた。こうするしかないか。最後の手段として解りきっていた事ではあるけど・・・。
 僕はベッドの方へ向かい、そのままベッドの上で寝ているミカさんを跨いで横にある出窓を開け、枠に腰掛けた。足を外に投げ出し、足元の状況を確認しながら靴を履く。家に沿って幅15センチ、高さ1メートル強ほどのコンクリートの塀がある。何とかあそこへ飛び降りるしかない。
 「ミカちゃーん?」その時突然、扉の向こうから声が聞こえてきた。母親の声だろうか、とにかく女性の声である。僕は窓を閉め、再び下を見た。2メートルほどの高さから幅15センチの塀に飛び降りる、失敗してもそのまま地面に降りれれば良いが、下手に塀の上に乗って転べば骨折くらいはするだろう。怖い、が、やってみせる。
 「帰ってきたんでしょー?」再び扉の向こうからこちらへ話しかけているようだ。最早猶予はない。僕は覚悟を決めると、塀へと飛び降りた。


 続く。

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 第00話 「序章、登場、おやすみなさい」
 第01話 「おはよう、思い出、前半戦」
 第02話 「思い出、後半戦、行ってきます」
 第03話 「教室、友達、昼休み」
 第04話 「部活、ジャーマネ、地獄耳」
 第05話 「帰り道、文化祭、一日の終わり」
 第06話 「おはよう、思い出、いちばんめ」
 第07話 「思い出、にばんめ、自分のこころ」
 第08話 「思い出、さんばんめ、先手必勝!」
 第09話 「思い出、よんばんめ、自己紹介」
 第10話 「思い出、ごばんめ、潜入だ!」
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by emporfahren | 2006-02-14 04:06 | さいロマ